そのレコード、オレが買う!


レコード番長、須永辰緒氏のレコ買い日記です。
3年に渡ってひたすら日々買った盤を綴っているだけの本。
ちょっとした盤に関するコメントと購入先、価格などがツラツラと並んでいます。
ジャズにもレコードにも興味のない人には悶絶するくらい退屈な本でしょう。
でも飽くことなく盤探しを常としている者としては決して他人事ではありません。
帯にあるいとうせいこう氏のコメント
辰緒がガツンとわからせてくれる。
DJは職業の名前じゃない。
ひとつの立派なビョーキの名前なんだ。
死ぬまでなおらないんだぜ。
がすべてを表しています。
このヤバい本を細部まで眺め、掲載盤が欲しくなる、探したくなる衝動が止められません。
何とも業が深い本です。
たかが趣味でも一線を超えると極めて業の深い、元には戻れない症状と化します。
店主自身、DJではありませんが、店で聴くという大義名分を理由に掲げ、
加速していく盤漁りはもはや一線を越えたのかも知れません。
身体はひとつ、店もひとつ、それ程大量の盤は到底必要がありません。
ありえない思い込みと重々承知ですが、
「お店」というマジックワードには事業として正当性と
「お客様」のための音楽という公共性という幻想を生みだします。
果たして、聴くために買うのか、買うために買うのか?
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