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大阪豊中、ブラジルコーヒーの店「Cafe do BRASIL TIPOGRAFIA」のブログ。メニューやお店情報、ブラジル、音楽、ジャズ、コーヒー、焙煎、映画、活字等、毎日更新!

西部劇2本

過去の遺物となった西部劇だが、決して嫌いではない。
ぎっしり映画の醍醐味が詰まったジャンルであり、
あまりにも我が身とかけ離れた世界観であるが故、2時間ばかりを現実逃避するには最適なのだ。
最近、2本ばかり西部劇を続けて観賞。
まずは「トゥルーグリット」

コーエン兄弟の西部劇

西部劇うんぬんというよりまずはコーエン印。
さらには制作にはステーヴン・スピルバーグが絡んでいたりと少々売れ線狙いか?
コーエン兄弟の映画は独特のリズム(厳密にはリズムや間のはずし方)があり、
合わないと途轍もなく退屈なだらだら映画と化す。
例えば「バーン・アフター・リーディング」とか。
でも今回は元ネタの映画「勇気ある追跡」がある分、
結構オーソドックスな演出なので大丈夫。
主演というか助演というか子役のヘイリー・スタインフェルドがお見事。
父を殺された14歳の女の子なのにむさくるしい輩たちを相手に丁々発止でやりあうのが面白い。
オスカーにはまだ早い?個人的にはあげてもいい気がする。
あとマット・デイモン。
実はとりわけ男前なわけでもスタイルがよいわけでもない、単なる垢ぬけない
アメリカの田舎のあんちゃんみたいな偏見があり苦手な役者だった。
最近ふと、実はすごい人かも知れないと思い始める。
荒唐無稽なスパイから工場勤めの労働者まで不思議と違和感なく演じている。
デイモン個人ののカリスマ性はないが、役柄にはぴったりとはまる。
その裏には巧みな演技が隠されているのでは?
そう考えていると眼が離せなくなった。
今回も「明日に向かって撃て!」のロバート・レッドフォード
(別に顔が似ているわけではない)を思わせ、
マット・デイモンには全く見えない。
もうひとりのジェフ・ブリッジスもはまり役。
ジョージ・クルーニーとこの人のもごもごと口の中に物を入れた様なしゃべり方は少し苦手だが、
アル中の保安官という役柄にはぴったり。
巧みな役者たちと映画的な今は亡き西部の風景をしっかり楽しめる秀作。

続いては「ウエスタン」
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セルジオ・レオーネ監督の結構古い映画。
調べてみるとベルナルド・ベルトルッチとダリオ・アルジェントが原案というすごい組み合わせ。
165分という長尺なのだが、プロット自体はシンプルな復讐譚であり、そこまで長くはない。
冗長とも評されている執拗な描写がひたすら続く。
エンリオ・モリコーネの旋律をバックにけれんみたっぷりの演出が炸裂。
確かに冒頭部分、筋と関係のない細部の描写が延々と続き、
少々退屈したが、不思議なもので慣れてくるとこれが快感なのだ。
ステーヴン・キングのディティールへの執拗な書き込みに似ているかもしれない。
耳からも繰り返されるモリコーネ節(大袈裟であるが、あまりにも美しい旋律)
が否が応でも刷り込まれ、気がつくと夢中になっていた。
悪役が結構はまり役のヘンリー・フォンダ、
華を添えるクラウディア・カルディナーレの前時代的なグラマラス魅力的だが、
何といってもチャールズ・ブロンソン。
少ない台詞に、ほんとんど表情を変えない岩のような役柄である。
昨今のワイヤーでひらりと舞う最近のアクション映画や
ガンアクションにないもの、それはタメである。
それは間合いとかに言い換えてもよい、一連の動きの中のある凪のような沈黙。
チャールズ・ブロンソンのタメは本当に見事である。
黙っていても不思議と間だけで絵になる役者はすごい。
殺気が消えた静けさから一気にクイックアクションで銃を抜き相手を正確に射抜く。
この流れが素晴らしい。
最期の対決シーンなどは
黒澤映画(椿三十郎)における三船敏郎と仲代達也の居合対決を思わせる名シーン。

2本の映画に共通しているのは、
どちらも的確な役者を的確に配して演出していること。
コスプレジャンル映画ではあるが、
結局演じている人によって作品出来具合が決定されるのだ。面白い。
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プロフィール

TIPO

Author:TIPO
大阪豊中、ブラジルをコーヒーと音楽で楽しむ店“Cafe do BRASIL TIPOGRAFIA(チッポグラフィア)”の店主(と時々連れ合い)。2005年12月に開店して以来、気合で毎日更新中。果たしてどこまで続くのか意地になってます。

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