告白

世の中には毒にも薬にもならない映画があふれている。
観た人を勇気づけ幸せにするのも、不安を掻き立て落ち込ませるのも実はシステムは同じ。
両極端な感情を喚起させるのはその作品に力がある証拠なのだ。
当然この映画は薬にはならない。
映画を観た人が「やっぱり、いじめはよくない」「少年法は改正すべきだ」
とか刷り込まれる啓蒙的な映画ではない。
2時間弱ひたすら緊張を強いられる。
観賞時も観賞後も、全然ハッピーではない。
いやな映画だが、すさまじいパワーのある傑作。
色彩を落としたダークな映像。
登場人物全員がひずんでいる(全員悪人!!)。
それらを演ずる人を的確に配したキャスティング。
物語は余計な要素を排し「告白」という会話に状況を絞り込む。
この監督はただものではない。
「下妻物語」「嫌われ松子の一生」といったギミックをかけまくり、
誇張された映像という力技も嫌いではないが今回は全く作風を変えて、力技を全て封印。
アンプで歪ませエフェクターを駆使したエレクトリックギターの人が
いきなりアコギ1本でブルースを弾語りしたら実はすっげ~良かったようなもの。
文学(活字)と映画(映像)はちょっと似ている。
素晴らしい作品は「私だけを見て!」という鑑賞者を独占してしまうこと。
作品に一本の流れがあること。
物語の視点(主観、客観など)があること。
読んでから観るか、観てから読むか?
昔からよく問われてきたことだけれども、今回は映画を観てから原作を読んだ。
映画のどの辺までが原作に因るものなのかが知りたかった。
結果は原作を原則変えずに基礎としておさえながらも、映像として幅を拡げているのがお見事。
読んでからでも、観てからでも両方楽しめる。
この映画に関しては、活字と映像は似た者同士として根幹を共有しているので喧嘩はない。
毒々しい映画。
賛否両論のため決して誰でも薦めはしないが、最近のなかではずば抜けた傑作。
06/09のツイートまとめ
tipografia_
いざ、散歩を心待ちにしているコギさん元へ!
06-09 18:50今日も一日ありがとうございました。間もなく閉店。お片付けなう。
06-09 18:47#nowplaying LEW WOODALL QUARTET/SECOND TIME AROUND ギターに絡むHOD O'BRIENのピアノがいいす。
06-09 15:47昨夜の閉店後、レイトで駆けつけた映画「告白」。毒にも薬にもならない映画が多いのだが、蝕まれるような毒々しいパワーはすごい。えげつない傑作!!比較検討のため、原作を読み始めた。
06-09 11:28#nowplaying MICHEL LEGRAND/archi-cordes 昨日ユニオンから届いてようやく聴けた。
06-09 11:21開店なう。
06-09 10:10今日の煎りたてさん http://cofeemame.sblo.jp/article/38835458.html
06-09 09:47おはようございます。焙煎なう。
06-09 07:33
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